Amazon Web Services, Inc. は本日、2種類のAmazon Elastic Compute Cloud (以下 Amazon EC2)の高性能コンピューティング(以下、HPC)向けクラスターインスタンスが東京リージョンで提供開始されたと発表しました。新たなインスタンスは、物理解析、耐震解析、薬物設計、ゲノム解析、航空機設計や、さまざまなビジネスコンピューティング、分析アプリケーションなど、複雑なコンピューター負荷に対応します。

今回、提供開始された製品は下記2製品です。

  • Amazon EC2の Cluster Compute Eight Extra Large(クラスターコンピュート エイト エクストラ ラージ: CC2)は、非常に高いCPU性能を持ち、広帯域幅で低レイテンシ、双方向ネットワークでインスタンスを稼働できるクラスターです。ゲノム解析や大規模SAP導入、その他要件の厳しいネットワークバウンドアプリケーションといったHPCアプリケーションに最適です。
  • Amazon EC2 のHigh Memory Cluster Instance (ハイメモリ クラスタ インスタンス: CR1)は一つのインスタンスに巨大なメモリや、分散メモリ型アーキテクチャを必要とするアプリケーション向けの製品です。CR1は高性能データベースや分散メモリキャッシュなどのメモリ集約型アプリケーションや、大学や研究所などで利用される実時間解析やインメモリ分析など、メモリ集約型のアプリケーション用に設計されています。
  • Amazon EC2と各インスタンスはこちらから利用できます。http://aws.amazon.com/jp/ec2
  • CC2が提供される以前は、先進的なHPCアプリケーションを利用する組織は専用かつ目的に応じたハードウェアを事前に購入する必要がありました。ただ、HPCには高性能なCPUや大容量メモリが必要とされる場合が多いため、高価なシステムを購入することができず、プロジェクトを断念する場合や共有リソースを使うために長期間待機するといったことが発生していました。これにより研究におけるイノベーションが遅れたり、主導権を失ったりするという問題がありました。


今回2つのクラスターインスタンスが東京リージョンで提供開始されることで、日本における企業や研究所は事前投資がいらず、必要な時にいつでも、使った分だけ、柔軟にスケールアップおよびダウンが可能なHPCインフラストラクチャ―に容易にアクセスできるようになります。開発者、研究所や企業は非常に安価に、完全に管理された高性能コンピューターを利用できるのです。

HPCアプリケーションを多く利用している大学や研究機関は、2013年4月にAWSの東京リージョンとピアリングされたSINET(http://www.sinet.ad.jp/)を活用して、CC2とCR1をより低遅延かつ高速なネットワーク経由で利用できます。これにより、日本における研究者の皆様は、重要な研究プロジェクトのために低いネットワークコストでAWSクラウドにさらに早くアクセスできます。

加えて、SAP HANA Oneが稼働可能なAmazon EC2のHPCクラスターは、日本企業のビジネス基盤やHANAベースのアプリケーションなど、インメモリ処理やデータ分析処理向けの高性能システムとして最適なプラットフォームです。

アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 代表取締役社長の長崎 忠雄は「2種類のHPC向けクラスターインスタンスが東京リージョンで提供開始されたことで、AWSは多くの開発者、企業、学術研究所などが、以前はできなかった大規模なHPCプロジェクトを低価格に稼働させる、新たな環境を提供できます。AWSクラウドが、あらゆる規模と業界のお客様のビジネスや研究にイノベーションをもたらすことをうれしく思います。」と述べています。

お客様およびパートナー様からのコメント

住宅メーカー大手のミサワホーム株式会社は、2010年からグループ全体で業務システムを一元化するためのプロジェクトを進めています。「2013年1月に人事システムをAWSに移行しましたが、人事システム以外の業務システムに関してもAWS上への移行を考えてきました。」とミサワホーム株式会社 企画管理本部 情報システム部長 宮本眞一氏は述べています。
基幹系システム向けのデータウェアハウスとして、新たなインスタンスを利用することで、ITインフラにかかっていたコストを削減し、実際のビジネスに活用できることをうれしく思います。」

メディアス ソリューション株式会社は、医療機関に対してデータ分析に基づくコンサルティングサービスを提供しています。「メディアスソリューションにとって、夜間バッチ処理におけるデータ量に上限があることや時間がかかりすぎることは大きな課題でした。」と、メディアスソリューション株式会社 代表取締役社長 諸角 嘉男氏は述べています。「以前のオンプレミスのシステムでのバッチ処理は100万件の上限があり、1-3時間かかっていました。対して、SAP HANA OneをAWS上で利用することにより、1500万件以上のデータをストレスなく、また低価格で処理できます。CC2が東京リージョンで提供開始されることで、我々のシステム性能がより向上することをうれしく思います。」

SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアにおけるマーケットリーダーであり、AWSのグローバルテクノロジーパートナーです。「新しいハイメモリ クラスター インスタンスはAWS上で稼働するSAP HANAクラウドの性能を引き出すのに最適なクラウドプラットフォームです。」とSAPジャパン株式会社 バイスプレジデント クラウドファースト事業本部長 馬場渉氏は述べています。「SAP HANAによるインメモリコンピューティングのリアルタイム性とシンプルさに、AWSの俊敏性と低価格さを組み合わせることで、あらゆるお客様へこれまでの常識を超えたリアルタイムプラットフォームを提供する事が可能となります。SAPは本インスタンスにより、クラウド上でリアルタイム・アプリケーションを動かすお客様をサポートできるのを楽しみにしています。」

株式会社 ヴァイナスは、世界最先端の数値解析技術を駆使することで幅広い製造業の研究・開発・設計業務の効率化とレベルアップを支援する企業です。「ヴァイナスは、宇宙航空研究開発機構 (JAXA)などにおいて(米)CRAFT Tech社開発のCRUNCH CFDによる解析使用実績をもとに、AWS上でのHPCクラウドコンピューターでアプリケーションの実務利用を希望される企業や研究所への導入および運用支援を推進しています。」と株式会社 ヴァイナス 代表取締役社長 藤川 泰彦氏は述べています。「弊社自社開発のCCNV (Cloud Computing Navigation System) を通じて、東京リージョンで利用可能になった低コストでアプリケーションの計算能力を最大限に発揮するAWS HPCインスタンスを、より多くのお客様にユーザビリティに優れた HPC環境としてご提供できることを大変うれしく思っております。」

ビジュアルテクノロジー株式会社は、HPC(High Performance Computing)分野において、大学、官公庁研究所、大手製造業に大きな影響力を持つ High Performance Computing のリーディングカンパニーです。ビジュアルテクノロジーの川股 敦様は「VTは、日本の科学技術計算(HPC)を駆使する研究所および企業に、 AWSを利用して高度に最適化された信頼性の高い高性能コンピュータシステムを低コストで提供、提案しています。AWSのCC2が東京リージョンで使えることで、より膨大なデータ量を迅速に計算することが安価にできるため、お客様にさらに最適なシステムを提案できることをうれしく思います。」と述べています。